■周防大島帰郷編・第6章 ・・・ 地域活性化
地域活性化・・・過疎高齢化地域の周防大島にとっては永遠のテーマである。 しかし、帰郷したばかりの人間が思い付きで実現できるほど簡単な問題ではない。 綺麗ごとばかり言ったところで自分の生活ありきな訳であり、そんな中で如何に携わっていけるかが大きな課題である。 理想と現実はそうそうシンクロしないものである。
そもそも地域活性化とは何であるか。 産業や観光客の誘致、それらもひとつの地域活性化であることに間違いはない。 雇用の創出につながる地域経済の底上げは必要不可欠であり、最終的な到達点のひとつであるだろうが、そのために必要なものは何であるか。 また、地域活性化は誰が誰のために取り組むものなのか・・・主体となり主導するべきは地域に暮らす人達であるはずなのだか、現実は行政主導型のおんぶにだっこな地域活性化が目に付くように思われる。
「大島はもうだめよ」 「なんぼ頑張ってもつまりゃあせんよ」
時に耳にするネガティブな言葉・・・はたして本当にそうなのか。 自分達の暮らす周防大島、知っているようで案外知らないのではないか。 狭いようで広いのが周防大島である。 島は大島、久賀、橘、東和と4町に分かれ、それぞれが独自の地域性を有しているが故、島としてではなく町というコミュニティーの概念が強いように感じる。 ただ、島外の人達から見れば周防大島はひとつ島という意見をよく耳に知る。
極端な話、島外の人達にとっては4町というボーダーは存在しないのかもしれない。 合併を目前に控えた今だからこそ一島一町として総括し、客観的に自分達の島を見つめ直す時期がきたのではないのか。
では、今の自分に出来ることは何かと考えた時、周防大島を広く深く知ることくらいである。 くらいである・・・が島を知れば知るほど島の魅力に気付くに違いない。 東京に暮らしながらも周防大島に惹かれたのは、郷愁だけではない何かがあるはずである。 これといったシンボリックなものが存在する島ではないにも関わらず惹かれる何か・・・その何かを掘り起こすという作業、島の魅力を再認識することから始めよう。
島に暮らし、島を知り、島に惚れ、島を誇りに思う。 つまりは島に暮らす人達による島への愛情こそが地域活性化を結実するのではないか。 そう考えたとき、周防大島をくまなく歩き、掘り起こした島の魅力をインターネットで発信することに大きな意義が芽生える。 島外へのPRだけでなく、島内の人達にも周防大島の魅力を再認識してもらうという意義である。
自分達の島はこんなにも素晴らしい島なのだという再認識。
島に暮らす人達が島を誇りに思う時、島への愛情が島を豊かにする。
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