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■周防大島帰郷編・第7章 ・・・ 周防大島町発足

合併を目前に控えた周防大島。
役場には「周防大島町誕生まであと○日」とプラカードが掲げられ、島全体がどことなく気忙しく感じられる。
周防大島.comの運営開始は、新町発足に合わせた2004年10月1日と決めていたが、合併間際の島の情景を記録しておきたいと思い、準備しておいた風景写真や歳時記などのコンテンツにその様子を掲載する。

思えば会社員時代に起業を夢見てあれこれ思い悩んだ末に、地域密着型ポータルサイトの運営という結論に達した。
予定通りとまではいかないが、会社を辞めて帰郷した周防大島でサイト運営の体裁は整いつつある。
数日後の新町発足と同時に自分の思い描いていたコトが始まることに対し、素直に喜ぶべきであるのだが大きな不安が頭をよぎる。
大きな不安とは・・・ビジネスとして成立するのかという懸念である。

周防大島のポータルサイトを運営し、ある程度のビジターを確保することは、周防大島の魅力を持ってすれば、それほど難しいことでもないであろう。
しかし、これから取り組もうとしていることは、自己満足のサイト運営ではなくビジネスである。
高邁な理想や、独りよがりの達成感でメシが食えるほど世の中は甘くない。
インターネットはおろか、パソコンの普及もまばらな周防大島で、ネットビジネスを理解してもらうのは並大抵のことではない。
得体の知れないインターネットという媒体に広告費用を支払う人は皆無であろう。
都市部におけるネットビジネスの形態とは似て非なるものである。
郷に入らば郷に従え・・・つまりは周防大島独自のネットビジネスの在り方を模索し、構築していかなければビジネスとして成立することは不可能である。

このように鑑みると極めて勝算の低いビジネスモデルなのだが・・・
しかし、このご時勢においてインターネットを有効に活用する地域と、そうでない地域の差は如実に現れてくるに違いない。
即時性、広域性を兼ね備えたインターネットの活用は、周防大島のような過疎地域を復興へと導く最良の手段であると大きな期待を抱いている。
この不確かな自論だけが今現在における一縷の望みであるのだが、この自論を少しずつ現実のものとし、実績を持って説くことができれば、あるいはビジネスとして成立する可能性もあるかもしれない。

理想や達成感をビジネスに昇華させ、想いを現実のものに・・・

数日後・・・お昼のニュースで周防大島町発足の映像が流れ、テレビ画面には賑やかなセレモニーの様子が映し出されている。
その数時間前、インターネット上にアップロードされた周防大島.comは静かに幕を開けたのであった。